2009年10月

新型インフルエンザのワクチンとは

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世界保健機関(WHO)や日本の国立感染症研究所は、世界各地でインフルエンザウイルスの定点観測を行い、その年流行するウイルス株を予測しています。これらの流行予測株の中からその年のワクチン候補が選ばれ、厚生労働省により新型インフルエンザワクチンとして決定されます。しかし、インフルエンザウイルスは変異しやすいため、新型インフルエンザのワクチンは、新型が出現してから接種できるまでに1年はかかるとされています。

今年5月にインフルエンザウイルスが出現してから、感染が急速に拡大したため、国内ワクチン製造メーカー、また海外ワクチン製造メーカーによる新型インフルエンザワクチンの開発が急がれ、現在臨床試験が行われる段階まで進んでいます。輸入ワクチンについては、免疫増強作用のあるアジュバントという補助剤が加えられており、国内ではアジュバントの使用例がないため、副作用などを心配する声があがっています。


新型インフルエンザのワクチンの効果

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新型インフルエンザワクチンの接種時期ですが、通常インフルエンザが流行するのは12月から翌3月頃ですから、免疫をつけるために、2ヶ月ぐらい前から接種を行います。ワクチンを打てば、60~80%の人が発症しなかったり、発症しても軽症ですむといわれています。新型インフルエンザのワクチンの効果は、接種後1~2週間して抗体ができ始め、2回目の接種から1ヶ月後くらいまでにピークに達し、3~4ヶ月後には徐々に低下します。ワクチンの効果が期待できるのは、接種後2週間から6ヶ月ぐらいまでと考えられます。

新型インフルエンザワクチンの接種回数を、厚生労働省は原則1人に対し2回接種を想定していますが、65歳以上の人には免疫を持っている人もおり、また、過去にインフルエンザワクチンを接種している人は、1回の接種で効果が出る場合もあるようです。1回の接種ですむかどうか、新型インフルエンザワクチンの接種間隔などについては医師に確認してください。


備蓄

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厚生労働省は、原則1人に対し2回の接種を想定していますが、1回で十分な効果があると判明した場合には見直しも検討されるようです。それというのも、ワクチンの備蓄が不足しており、年内に用意できる国内産ワクチンが限られているからです。米国立アレルギー感染症研究所が、子供への新型インフルエンザのワクチン接種の臨床試験結果を公表しています。臨床試験結果では、健康な10~17歳は、成人同様1回の接種で免疫効果を得られましたが、9歳以下では2回の接種が必要なようです。

厚生労働省はワクチンの必要量を5300万人分と見ており、足りない3600万~4000万人分の不足分を輸入ワクチンで補うことを検討中です。問題は、新型インフルエンザのワクチンの輸入ですが、通常輸入したワクチンを国内で承認するには数ヶ月を要するといいます。厚生労働省は、新型インフルエンザ感染の急速な拡大に備えて、国内での治験がなくても、海外で安全性が証明されていれば使用を承認する「特例承認」を検討しています。


優先順位

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厚生労働省は、新型インフルエンザ用ワクチンの必要量を5300万人分と見ており、優先順位を、基礎疾患を有する人1000万人、乳幼児600万人、小・中・高校生1400万人、妊婦100万人、医療従事者100万人、65歳以上の高齢者2100万人との予測を立てています。(ただし、優先順位の内訳については、舛添元厚労相の希望的予測も入っているようです。)

新型インフルエンザ用ワクチンの優先順位に関して、多くの意見があがっており、慢性呼吸器疾患などで免疫が低下している患者に対し、新型インフルエンザを優先的に接種したほうがいいという案が出ています。そこで、厚生労働省は、呼吸器疾患、心疾患、腎疾患、肝硬変、神経疾患、血液疾患、糖尿病、がん、小児の疾患など、症状の重い場合に優先的に接種するものとしています。なお、優先接種対象者であっても、遺伝子検査で新型インフルエンザへの感染が確認されている人については、接種の必要性が乏しいとしてはずされるようです。


新型インフルエンザ用ワクチンはいつ配布されるの?

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新型インフルエンザ用ワクチンの出荷は10月下旬からで、順次配布されます。しかし、ワクチンを配布する際に問題があり、感染症法12条に、「医師は、新型インフルエンザなどの感染症の患者を診断した場合、厚労省令で定める場合を除き、直ちに最寄りの保健所長を経由して都道府県知事に届け出なければならない」とあります。この問題について厚生労働省は、「感染症法12条に基づく医師の届け出を不要とする」との厚労省令改正を行いました。新型インフルエンザの感染が急拡大しているために、法の改正が迫られています。



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